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居世神社  鹿児島県垂水市

  この居世(こせ)神社の伝承として、欽明天皇の第一皇子が流され、その皇子を祀ってあるということを垂水市史は紹介しながら、その可能性を否定し、安徳天皇の可能性が高いと説明しています。 神社の伝承によれば、船に乗せられて流れ着いた七、八才の童子を近くの農夫が発見して自宅に匿い育てたということです。 その方は大変高貴な方のようで 鍋に入ったものなど召し上がらない、妻にも隠していたので妻が隙間から見ると 目が吸い付いて離れなかったほどの輝きのある方という伝承になっているようです。

  垂水市史ではここまでの説明になっていますが、実はこの居世神社に私が注目したのは、李 炳銑氏の《日本古代地名の研究》の中で この童子の漂着伝承が 新羅の起源説話に酷似していること、かつ新羅の祖である《赫居世》と酷似していることを指摘しているからです。 現在の隼人国分地方は 昔は《桑原郡》と呼ばれていた地域で、秦氏と関係の深いところにあります。現在の大分県から約5000人程度の住民を隼人族懐柔策として移住させたと隼人の郷土史にもありますが、その住民は秦氏系統だと思われます。 大和岩雄氏が指摘しているように、薩摩の稚児風習と新羅の花郎風習との親和性があり、薩摩の地と古代新羅とは何らかの繋がりを持っていることを示唆しているのではないかと思います。  この線からこの神社の由来を考えてみると面白いかもしれません。 





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