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福王寺  広島市可部


福王寺縁起によれば、福王寺は、811年に弘法大師によって建立された寺とされます。 全国行脚の修行中この山に立ちより、大きな一本の木に不動明王像を彫ったことに始まると伝えられています。歴代天皇の尊敬を受け、足利尊氏も五重塔を建立するなど栄えていましたが、その後一時荒廃していた寺を、安芸国守護で初代銀山城主の武田氏信によって再興されます。
 足利尊氏が建立した五重塔は室町時代に焼失し、現在は寺院裏山にその跡地があるだけとなっています。また境内にはこの寺を庇護し、再興させた初代銀山城主の武田氏信の供養塔もあります。
  もともとは、安芸の守護武田氏と関係の深い寺ですが、この寺の住職は、香川氏と関係が深く続いています。香川氏とは、広島市安佐南区八木に居城を構えていた豪族で、岩国吉川氏の家老職となる家系です。
 安芸の高野山と称されるだけあり、奥深い山頂にある寺は、しばし時代をタイムスリップしたような気分を味わわせてくれます。喧騒とした都市とは隔絶した空間を楽しむことができます。山頂からの眺めはすばらしく、熊谷氏の居城高松山城跡や、遠く広島の市街地を遠望できます。寺院空間の文化的意味合いを感じるひと時です。
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