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鑰島神社
 《かぎ島》神社と呼びます。 霧島市を通る国道10号線沿いにありますが、ほとんど気づかない程の神社です。《ヒルコ―棄てられた謎の神》の中で、戸矢学氏は隼人族の祖神である海幸彦を祭ってあり、鹿児島神宮の山幸彦に対して上位にあるとし、《鑰かぎ》とは、海幸彦の釣り針のことを示唆していると指摘しています。またこの《鑰島》こそ、鹿児島の語源であるとも推測しています。鹿児島の名前の起源については、薩摩紀行の《鹿児島の名前の由来》を読んでください。

  この神社が、鹿児島神宮と一体的なものであることを示唆している傍証として、毎年霧島市で秋に開催されている《浜下り》という祭りでは、鹿児島神宮を出発した、武者姿の一団がこの神社の近くまで歩いて下る伝統を上げたいと思います。 地元では《浜下り》とは、島津氏と関係づけられているようですが、そもそも浜へ下るという意味は、島津氏との関係は無理があり、それ以前からあった歴史的出来事とつながっていると思われます。つまり、戸矢氏が《ヒルコ》の中でも指摘しているように、この地に流れ着いた古代中国の呉の人々の漂着伝承とつながっていると考えるほうが合理的だと思います。 海から来たので、海へ帰る、そういう伝承ではないかと思います。 鹿児島神宮の方が山幸彦で、この鑰島神社の方が海幸彦で、この二つの神社は、そもそもペアということではないかと思います。





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